与信調査では様々な情報を活用するが、
相手から首尾よく決算書を入手できたとしても、
それは、加工に加工を重ねた3次情報に過ぎないことを肝に銘じること。
あえて情報(書類に限る)に「次元」(レベル)をつけるとすれば、
「1次情報」とは、原始証憑の事で、見積書、発注書、請求書、納品書などの事。
これらを整理し集計した元帳、勘定記録などが「2次情報」。
決算書は元帳等を更に加工した「3次情報」に過ぎない。
そして決算書のみに基づく財務スコアやら信用評価に至っては「4次情報」である。
架空取引や循環取引が横行する昨今、直接の取引から得られる「1次情報」をきちんと確認することが与信審査でも肝要だ。もちろん1次情報の改ざんもあり得るので現物・現場との照合も重要だ。
ちなみに相手から直接入手する情報が、それ以外から入手する情報よりも有用であるというのは必ずしも成り立たない。
相手から直接入手するからといって、嘘八百の決算書や盛に盛られた会社パンフなど「ゴミ情報」を掴まされる可能性もある。
筆者も昔、調査で訪問した途端、根本的に捏造された税務申告書を3期分見せられたことがある。申告書のある部分を見て即座に偽物であると判別できたのだからレベルの低い詐欺会社だった。
捏造決算書を財務分析したところで何の意味もないし有害である。もっとも、こうしたゴミ情報で筋の悪さを見極めることができたのだがらゴミ情報にも価値があるというべきか(見破ることができる場合に限るが)。
むしろ業界での評判や側聞、ネットの書き込みなど間接情報のほうが正鵠を得ている場合もある。
直接か間接かで情報の優劣は一概に言えない。
H.Izumi
相関図を武器に、反社・マネロン・与信・不正に関するリスク調査を手掛けるアクティブ株式会社が、その知見を盛り込んだコンテンツのオンライン配信サービス『取引審査ビルドアップ講座』を創設しました。
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コンテンツ一覧(2024年5月13日更新)