内容の適時性・網羅性・正確性については確約できませんので、実務に際しては専門家などにご確認ください。
有価証券報告書と決算短信の相違を表にまとめます。
端的に言えば、有価証券報告書は、「内容の詳しさを重視」、決算短信は「スピード重視」です。
株式投資や与信(信用)判断の上では、内容的には有報のほうが価値がありますが、やはり速報性も重要です。
より早く、経営内容の要旨を把握できた方が良いわけです。その意味で決算短信も非常に有用です。
■決算短信
従来、次の期の「業績予想」が記されていましたが、平成29年3月期から任意の記載事項となっています。
業績を予想することは難しいですし、楽観的な予想をしておいて、実際は全然それを達成せず、
投資家をミスリーディングする場合もあるので要注意です。
建前としては、業績予想の事務負担軽減を理由に様式から削除されたようです。
有価証券報告書と決算短信の報告期限です。
通年(前事業年度)の報告は、有価証券報告書の場合は、事業年度終了後から3か月以内となります。
一方、決算短信は、取引所によって45日以内が適当とされ、30日以内が望ましいとされています。
3月決算の会社であれば、有価証券報告書の提出は6月30日までとなり、
決算短信は5月15日くらいまでに提出することが適当とされています。
四半期報告書については、四半期終了後45日以内に提出するこが義務付けられています。
四半期の短信については、「四半期報告書より前」に取引所に提出されることが適当であり、
30日以内が望ましいとされています。
3月決算の会社であれば、第1四半期の四半期報告書は、8月中旬までに提出する必要があります。短信は、
これより前が適当とされています。
H.Izumi